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2008.10.24

長い「その後」の物語

 以前から、古本屋で単行本を見かけて気になっていた中村彰彦『桶狭間の勇士』が、文庫版も出ていると知って購入、数日前に読了。

 信長に仕える二人の武士、毛利新介と服部小平太が桶狭間の合戦で今川義元を討ち取る所から始まる連作短編。
 物語は桶狭間から始まるものの、作中「大手柄を立てるのが二十年以上早すぎた」と言われた二人の「その後」が作品の主題となっている。

 大柄で強力、若くして功名を上げ、みずから「一介の武辺」をもって任じながら、筆の立つ所からいつの間にか文官として認められていく無口な毛利新介。
 一方、小柄ですばしこく、三十過ぎてようやく桶狭間の功名を上げながら、やがて信長の元を辞し、羽柴秀吉の馬廻りとなる、童顔で尾張訛りの抜けない服部小平太。
 この作品の魅力は、主人公である二人の造形の妙による部分が大きい。

 年のせいか、読んでいるとき、なぜか今ひとつ運に恵まれない服部小平太に感情移入することが多かったなあ。
 性格的にはあんまり好みのキャラでもないのだけど。

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