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2008.09.04

終わりの後に始まりを読む

 戦国の終わりを告げる『関ヶ原』に続いて、戦国の幕開けを描いた『箱根の坂』全三巻を読了。作者は同じく司馬遼太郎
 主人公は伊勢新九郎こと早雲庵宗瑞。北条早雲と行った方が通りがいいだろう。
 執筆当時の通説通り、四十を過ぎてからようやく動き出す伊勢新九郎を見事に描いている。
(最近では、通説より二十歳以上若かった、とする説もあるらしい。→Wikipedia

 強いて言えば、早雲が五十を過ぎてから結婚した妻との間の話を、もう少し読みたかったかもしれない。
 この作品中の早雲は(特に中盤以降)しょっちゅう旅に出ては自ら領内のみならず敵地まで実情を見に行ってしまう人なので、あんまり家庭内の描写がないのだよね。

 それにしてもこの早雲、やることなすこと気の長いこと。
 時代を動かす実力を得ながら、いまだそのことに気づいていない国人衆や農民たちに、ひたすら根気よく自分の考えを浸透させていく。
 戦にしても、絶好の機会が来るまで数年、場合によっては十数年もの時間をかける早雲は、とても人生の折り返し地点を過ぎてから動き始めたスロースターターとは思えない。

 四十を過ぎてからようやく活躍し始め、ついには実力で国を得る早雲の姿は、結構いい年となった自分にとって心強い……と言っても、早雲は若い頃から礼儀作法やら学問やらの素養の積み重ねがあってのこと。
 ふり返ってみるに自分は……。

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