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2007.06.08

ゆっくりと味わう  ─『和漢朗詠集』

 読了冊数を稼ぐような読みかたにちょっと疲れた……というほど読んでいたわけでは無いのだけれど。
 通勤の出がけに積読の山から、なんとなく手にして読み始めた『和漢朗詠集』を、2週間かけて読み終えた。

 本が分厚いのもあるけれど、内容が漢詩と和歌のアンソロジーなので、本文と訳注を交互に見て、内容のイメージがつかめないと読んだ気になれない所が、時間のかかった理由の一つ。
 元は平安時代に、声に出してうたわれた作品をあつめたものとのこと。
 当時の人たちは今の我々が歌を口ずさむ感じで漢詩や和歌に節をつけてうたってたんだろうな。

 読んでいるとどこかで見かけた作品(和歌には小倉百人一首とかぶる収録作品もある)があったり、印象に残る作品があったりと、なかなか楽しめた。

 小野国風の漢詩、


刑鞭蒲朽ちて蛍空しく去んぬ
諌鼓苔深うして鳥驚かず

 の第二句って、横溝正史『神変稲妻車』『髑髏検校』に併録)の書き出しに使われた句だよなあ。
 これが出典だったのか。

 白楽天の作品が多数収録されているのも特徴だけど、確かに印象に残る作品も多い。


事々に成すことなくして身また老いんたり
酔郷を知らず何ちかゆかんとする

 いいかげんに意訳すると……
「いろんなことに手を出したけど、なんにもモノにならずにこの歳になっちゃった。
 酔っぱらっちゃおうかなあ」
 ……身にしみすぎて、飲まずにいられません(;_;)。

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