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2007.05.15

秘儀の闇から  ─ 『異神』

 最近、本を読むペースが落ちている。
 特に今月に入ってからは、まだ1冊も読み終えていない。
 連休中はいろいろ雑用があってつぶれてしまったが、その後は(いくら通勤電車で寝ちゃってる日が多いとはいえ)読んでたはずなのに……とよく考えて見たら、読んでいた本が(よい意味で)非常に大変な本なのであった。

『異神 上・下』山本ひろ子。
 神話・伝説や宗教関連を調べていると、つい「原典」に目が行って、後から追加された要素を軽視してしまうことがある。
 しかし、現実に強くその力が信じられたという点についていえば、そうした「原典」を持たない神の方が強く信じられた例も数え切れないほどある。
 この本は新羅明神や赤山明神、摩多羅神、宇賀神、牛頭天王と言った、記紀神話にも仏典にも本来の由来を持たない神々について書かれている。
 だが、決してこれらの神々のプロフィールについて解説した本では無い。
 あるいは修行者、あるいは秘密教団、あるいは民衆が、何か恐るべき力を持つものとしての「神」を、実際にどのようにして信仰されてきたかについて(「信仰」という単語のさっぱりしたイメージよりはるかに濃密な生気を伴って)復元しようとした本なのだ。

 この本をこれから読もうと思っている人は、漢文訓読と梵字の素養があるとより読みやすいことを申し添えておく。
(一応、要旨の現代語訳は必ず付いているので、読めないと分からないということは無いので念のため。)
 自分は漢文訓読は(返り点や送り仮名があれば)多少は何とかなるのだが、梵字についてはからっきしなので、せっかくの呪文・真言の発音が分からなくて残念な思いをした(^^;)。
 それにしても、出てくる資料(大抵は仏典)のほとんど全てが返り点・送りがなつきの漢文で書かれている。
 この頃の知識人ってのは、日本語を漢文で書いていたのだなあ、と実感した。

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