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2005.10.11

張飛が刺繍をさせられた

 ……入蜀を前に諸葛孔明から命じられたそうで、この経験のおかげで「気を静め心を落ち着けて行動する」事を覚えた張飛は、蜀の名将・厳顔を降伏させて大功を立てることができたのだそうだ。

 先日、池袋ジュンク堂の自由価格本コーナーで見つけた掘り出し物が殷占堂・著、施勝辰・画『三国志 中国伝説の中の英傑』という本。
 三国志関連の本はそれこそ数え切れないほど出ているが、この本に収録されているのは民間伝承の中の三国志。
 日本にも「弘法大師が杖を刺したら根が生えて大樹になった」とか「秀吉の母は太陽が腹の中に入る夢を見て日吉丸を産んだ」とかいう伝説があるが、いわばその三国志版である。

 たとえば。

 民を救うために、玉帝(天帝)の命に背いて雨を降らせて処刑された竜王の血を汲み置いていたところ、中から血色のよい子供が飛び出した。これが後の関羽である、とか……。

 一丈八尺の大蛇が道行く人を襲うので、張飛が退治に行ったとき、襲ってきた大蛇に噛みつかれないように尻尾を持って振り回しながら走っていたら、気がつくと大蛇が長大な矛に変わっていた。これが張飛の「丈八の蛇矛」である、とか……。

 諸葛孔明が黄婉貞(これが民間伝承で伝わっている奥さんの名前なのだ)嬢と結婚する時に新婦が出した「輿にも馬にも船にも乗らず、もちろん歩きもしないで嫁入りする」という無理難題に答えて孔明が作ったのが、あの木牛流馬である、とか……。

 民間伝承だけに相互に矛盾する話もいっぱいあって、呂布が討ち取られたときには
「関羽が貂蝉を逃がしてやった」
「劉備や張飛が色香に迷わないように、関羽が貂蝉を斬った」
 なんて二通りのバージョンが伝わってたりする。

 他にも神仙譚風なのからちょっといい話やらことわざ風教訓話やら、いろんな伝承が全93話、全てに味のある挿絵付きで収録されている。

 なにせ自分もバーゲン本で手に入れたくらいなのでえらそうなことは言えないが、三国志の登場人物たちのエピソードに興味のある人には、かなりお勧めできる本だ。

 ちなみに個人的に読んでて笑えたのは、
「羅貫中(『三國志演義』の作者)が曹操の保護下にあった劉備の二婦人と関羽の艶っぽいシーンを書こうとしたら「それはやめてくれ」と関羽本人の霊がクレームをつけに来た」という話(笑)。
 それなら、他にもクレームつけたがる人たちは一杯いそうなんだがなあ。

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