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2005.02.17

働くディー判事

 先日、渋谷の書店による機会があって、そこでポケミスのディー判事の新刊が去年のうちに二冊も出ているのを発見、ちょっとへこむ。
 全然気づかなかったよ。

『紅楼の悪夢』『観月の宴』の前日譚(時系列的には『真珠の首飾り』より前になるらしい)。
 都からの帰りに隣県・金華の行楽地に泊まろうとしたディー判事は、金華の知事である羅知事から、まんまと事件の調査を押しつけられてしまい……という話。
 堅物のディー判事が遊郭のひしめく楽園島の風俗にいちいちむっとしながら(笑)事件を探っていくのが見物かな。

 もう一冊の『五色の雲』は、邦訳では初の短編集。
 平来(ポンライ)、漢源(ハンユァン)、蒲陽(プーヤン)、蘭坊(ランファン)と、長編の舞台にもなったディー判事の各任地での八編を収録している。
 自分の好みとしては、「やれやれ」ってな話なのに暖かい読後感が心地よい最終話「小宝」が良かったかな。
 「鶯鶯の恋人」には謎解きと平行してディー判事が第三夫人を娶ることになった次第が語られている……というか、第三夫人って『中国黄金殺人事件』の登場人物だったのね。
 どんな人だったか確認するために、昔、古本屋で手に入れた『中国黄金殺人事件』を再読しちゃったよ。

 こうしてポケミスの収録作品が増えてくると、『中国黄金殺人事件』をはじめとする、初期作品がことごとく入手困難なのは非常に残念。
 謎解きについては初期作品の方が推理小説らしくできていると思うので、ぜひとも再刊か新訳を期待したい。
 ……電子書籍で手にはいるらしいけど、文庫か新書でないと通勤電車で読めないからなあ。

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