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2004.08.18

ここ一ヶ月ほどで読んだ本

 ここ一ヶ月ほどの間に読んだ本の感想をいくつかまとめて。

C.L.ムーア『暗黒神のくちづけ』
 負けず嫌いでプライドが高くてしょっちゅう怒り狂ってるジレルのキャラクターがいい(笑)。
 収録作の一つ『ヘルズガルド城』はアンソロジー『不死鳥の剣』でも読んだことがあったけど……ムーアの作品が微妙につやっぽい印象が強いのは、やっぱりハヤカワ文庫版を飾った松本零士の挿絵のせいじゃないかと。

『20世紀SF(4)1970年代』
『20世紀SF(5)1980年代』
『20世紀SF(6)1990年代』
 1960年代までの分は出た当時に読んでいたのだが、電車通勤で時間が取れたのを機に残りを読んでみた。
 実はジェイムズ・ティプトリー・ジュニア『接続された女』を読んだのは今回初めて。ネタもオチも知っていたが……やっぱりさすがは定番となるだけあって引き込まれた。
 スタン・ドライヤー『ほうれん草の最後』、表題裏ページの解題には「「クローム襲撃」に一年先行するクラッカー小説であることにまちがいないような気がしないこともなくはない。」とあるが……最初のクラッカー小説がすでにソーシャル・ハッキングを扱っていたとは(笑)。
 イアン・マクドナルド『キリマンジャロへ』は、途中からシーンが諸星大二郎の絵で浮かんできた。
 取りあえずそれぞれから一番印象に残ったタイトルをあげてみたが、他の作品もかなり良い。
 ただこのシリーズ、ちょっと重たいめの作品が多かったり、ル・グィン『アカシア種子文書の著者をめぐる考察ほか、『動物言語学会誌』からの抜粋』みたいにかなりひねった選択をしてたりする印象はあるけど。

ロード・ダンセイニ『夢見る人の物語』
 河出文庫のダンセイニ短編集全訳シリーズ第2弾。来年には続刊が決定したらしくて嬉しい限り。
 二つの短編集をまとめて翻訳してあるが、表題通り夢に関わる物語が多い。
 『サクノスを除いては破るあたわざる堅砦』は前から好きだったが、やっぱり微妙に昔語り風の雰囲気も含めて良い感じ。
 初めて読んだ作品では『ヤン川を下る長閑な日々』が良かった。
 船に乗って幻想的な都市をめぐるストーリーや、最後近くの「夢の国を訪れることは、ますます希になるはずだからである」の一節あたり、ラヴクラフトの夢の国ものに多大な影響を及ぼしてるな……と思ったら、訳者後書きでしっかり言及されていた。

ううむ、こうしてみると河出文庫はいいアンソロジーを出してるな。

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» 本: 夢見る人の物語 [Pocket Warmer]
書名:夢見る人の物語 原題:A DREAMER'S TALES 著者:ロード・ダ [続きを読む]

受信: 2004.10.04 08:19

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