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2004.07.17

「テケリ・リ!」の声

「テケリ・リ!」という単語(?)を知っている日本人の大半は(自分も含めて)これをラヴクラフトに結びつけて記憶しているだろう。
 しかしこの奇怪な単語はラヴクラフト本人も『狂気の山脈にて』で明記しているとおり、エドガー・アラン・ポー『ナンタケット島出身のアーサー・ゴードン・ピムの物語』という、長い名前の小説に出てきたのが元祖である。

 ……ということで、元祖「テケリ・リ!」を読むべく、創元推理文庫『ポオ小説全集II』を購入。
『~アーサー・ゴードン・ピムの物語』は、意外と言うかいかにもと言うか、前半7割くらいが王道の海洋冒険小説となっている。
 反乱や遭難と言った過酷な状況にさらされた主人公の冒険は、それだけでも十分小説として成り立っているが、最後の方で舞台が当時未踏領域であった南極圏に入るにつれ、なるほどラヴクラフトが好きそうな雰囲気が漂ってくる。

『ジューリアス・ロドマンの日記』は史上初めてロッキー山脈を横断した白人男性の残した日記という設定の小説だが、残念ながらロッキー山脈を乗り越えるところまで書かれておらず、未完に終わっているようだ。
 最後まで書かれていたら、『~アーサー・ゴードン・ピムの物語』のように名状しがたいクライマックスになってたのかも……と思うと、少し残念。

 他に収録されていた短編もそこそこ面白かった。
 今までは『モルグ街の殺人』とか『黄金虫』くらいしか読んだことがなかったけれど、そのうちポオの他の作品も読んでみよう。

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2004.07.13

取りあえず生存証明

 あまり放置していると気軽に書けなくなるので、リハビリをかねて雑文を書き散らしてみる。

 なんだか突然忙しくなってしまって、本サイトはおろかこちらまで更新が滞り気味。
 感想を書きたい本もいくつかたまっているのだけれど、ある程度のんびりと時間を取らないと、なかなか思うようにまとめられない。
 移動時間が長い分、電車の中で本は読めているんだけどね。

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2004.07.01

怪奇と幻想と

 ネットで図書館の蔵書検索をして遊んでいたら、今では入手困難なC.A.スミスの邦訳が二冊も最寄り(と言ってもバスで20分)の図書館にあるのを発見。早速借りてきた。
 ということで、クラーク・アシュトン・スミス『呪われし地(ロキ)』を読了。
 H.P.ラヴクラフトと親交のあったクトゥルー神話(彼の場合、ツァトゥグア神話かも)の作家として有名だが、これはヒューぺルポリアものが入っていないせいか、直接クトゥルー神話がらみの作品は収録されていない短編集。
 読んだ感想だが、個人的な趣味のせいか、やっぱりファンタジー調の世界を舞台にした作品の方が面白い。
 いかにも1930年代風なスペースオペラ調の火星(!)を舞台にした「ヴルトゥーム」とかも良いのだけど、やっぱり「イルールニュの巨像」(これは、創元推理文庫『イルーニュの巨人』で読んだことあり)とか「食屍鬼の神」等の作品のほうが好み。
 「プトゥームの黒い僧院長」あたり、世界観がハワードあたりに一脈通じるものを感じたりして面白い。
 もっとも、舞台がハワード風でもスペースオペラ調でも、物語自体は間違いなくC.A.スミスの怪奇世界になっているのはさすがかも。
 そのほかの作品は……面白かったけど「柳のある風景」あたり以外は、少々読みづらかったかもしれない。

 「食屍鬼の神」については、同時に借りてきた『アトランティスの呪い』で、先に榎林 哲氏のジュブナイル訳(「死神の都」)を読んじゃってたのは、良かったのか残念だったのか。
 こちらの本も、佐竹美保さんの挿絵がなかなか綺麗だったので、良かったんだけどね。

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