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2004.05.19

この世の涯ての彼方には

 ロンドンのヴィクトリア・ステーションから汽車に乗り、アインズフォードで降りて曲がりくねった谷沿いの細道を進んで丘陵地帯に分け入り、さらに奧のケント州の丘の向こうに広がる土地を越え、エルフの守る妖精国へ入る。
 あるいは、やはりヴィクトリア駅から汽車に乗り、ブレトの街を過ぎてノエル・ハンガーの丘を越え、ポイの谷間を通り(ここまでは世界のどこかに存在ずる場所だ)その先のスネッグの丘を越えると、見上げるような岩山の上にトン・トン・タラップの街が見える。
 ……ロード・ダンセイニの描く世界の涯(はて)は、どうやらロンドンと地続きの場所にあるようだ。
 だが、その旅路のどこかで、「世界のどこかに存在する場所」を越えて世界の涯に繋がる旅路に踏み込まなければいけないらしい。
 はじめから神話の世界に暮らしているケンタウロスのシェラパラルクのように、易々とはたどり着ける場所ではないようだ。

 というわけで、ロード・ダンセイニ『世界の涯の物語』を(数日前に)読了。
 初期短編集二冊分の全訳、というかなり美味しい本で、こちらの世界の尽きるところを題材にした短編が多く収録されている。
 他にも一応こちらの世界を舞台としている(とはいえ、たっぷりと幻想をまぶされた)作品も数多く、『ペガーナの神々』とはまた違った味わいのある短編集である。
 こういう雰囲気の短編、実はかなり好きだったりする。

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コメント

ごめんさい。TB2つ送ってしまいました。
もう1冊でるらしいので、はやく続きを読みたいです。

投稿: Atsushi_009 | 2004.07.08 09:49

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邦題:世界の涯の物語 著者:ロード・ダンセイニ / Load Dunsany 訳 [続きを読む]

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