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2004.05.27

細部にこだわりすぎても……。

 以前、何度か見に行ったことのあるサイトを久しぶりに見に行ったら、去年からココログをはじめていたことに気がついた。
 最近の記事が面白かったので過去ログをさかのぼってみたところ、自分が前々から漠然と思っていたことについて、はっきり言及してくれている記事を発見。
 『三国志』を書いた人間にとって、倭人なんてどれだけ意識していたか疑問なのだよな。

睡人亭日常: 邪馬臺国等々

 この記事で引用されている、『明史』における信長らについての記述の微妙な間違いっぷりが、「元祖・外国人の書いた変なニッポン」みたいで面白かった(笑)。

 ……でも、これで「いつかネタにしよう」と思っていたやつがまた一つ消えたか。
 専門家に先を越されちゃどうしようもない。

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2004.05.25

未完なる地獄

 初めて知ったときは「正気か?!」と思ったのはここだけの話。
 あの、未完の帝王(ごめんなさい(^^;))石川賢が、未完に終わった国枝史郎『神州纐纈城』をコミック化するというのだから、いろんな意味で「最後はどうなるのか」が気になるのは当然である。
 と言うことで石川賢『神州纐纈城<一> 血ぞめの布の謎』を購入、一気に読了。
 やはりというか石川賢得意の魔界っぷりがしっかり織り込まれているが、それでも原作の「気配」が見事に再現されている。
 原作のストーリーをなぞっているわけではないのに、原作そのままのイメージが……と考えているうちに、国枝史郎の原作と石川賢の時代物が、かなり近い空気を共有しているのではないかと思えてきた。
 石川賢の完結した作品もかなり面白いので、未完の原作をどう料理してくれるか、これからが非常に楽しみ。

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2004.05.22

久しぶりの更新

 最近、このブログを書くだけで満足してしまって、自分のサイトの方の更新がおろそかになっていた……というわけで、気合いを入れてサイトを更新。
 『三皇五帝関連人物リスト』のコーナーを作った当初から「これは入れないといかんな」と思っていた「夔」のページをようやくのことで完成させた。
 山海経の索引から始まったうちのサイトの、今やすっかり主力コーナーである『三皇五帝~』だが、ちょっと思いついていつからやっているのか更新履歴をさかのぼってみることにした。

 ……1998年11月に初公開。

 始めてからもう5年半すか。
 こっちが歳をとるわけだぜ。
 とりあえず『三皇五帝~』の大ネタは一通り終わった(と思う)ので、あとは気が向いたら小ネタを入れていくことにしよう。
 ……はっ、「鯀」って項目立ててないような(汗)。

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2004.05.19

この世の涯ての彼方には

 ロンドンのヴィクトリア・ステーションから汽車に乗り、アインズフォードで降りて曲がりくねった谷沿いの細道を進んで丘陵地帯に分け入り、さらに奧のケント州の丘の向こうに広がる土地を越え、エルフの守る妖精国へ入る。
 あるいは、やはりヴィクトリア駅から汽車に乗り、ブレトの街を過ぎてノエル・ハンガーの丘を越え、ポイの谷間を通り(ここまでは世界のどこかに存在ずる場所だ)その先のスネッグの丘を越えると、見上げるような岩山の上にトン・トン・タラップの街が見える。
 ……ロード・ダンセイニの描く世界の涯(はて)は、どうやらロンドンと地続きの場所にあるようだ。
 だが、その旅路のどこかで、「世界のどこかに存在する場所」を越えて世界の涯に繋がる旅路に踏み込まなければいけないらしい。
 はじめから神話の世界に暮らしているケンタウロスのシェラパラルクのように、易々とはたどり着ける場所ではないようだ。

 というわけで、ロード・ダンセイニ『世界の涯の物語』を(数日前に)読了。
 初期短編集二冊分の全訳、というかなり美味しい本で、こちらの世界の尽きるところを題材にした短編が多く収録されている。
 他にも一応こちらの世界を舞台としている(とはいえ、たっぷりと幻想をまぶされた)作品も数多く、『ペガーナの神々』とはまた違った味わいのある短編集である。
 こういう雰囲気の短編、実はかなり好きだったりする。

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2004.05.12

狄判事の友人

 自分の持っていた欧米人中国研究者への偏見を粉砕してくれたのは、中野美代子氏の 『「ディー判官もの」の作者』という文章なのだが、そこで紹介されていたファン・ヒューリックという人は、駐日大使まで務めたオランダの外交官であるだけでなく、アジアの諸言語に通じた上に中国の琴やテナガザルに関する本のみならず、唐の時代に実在した狄仁傑(中国音はディー・レンチエ)という人を主人公にした物語を書いた上、それを自力で明代の周回小説を模した文体で中国語に翻訳してしまったという、かなりすごい人である。
 その「ディー判官もの」(小説は全て「ディー判事」と訳してある)のシリーズが、はるか昔に買い逃した三省堂の単行本(古本で一冊入手)、ちくま文庫、中公文庫を経て、今はハヤカワ・ミステリから出ている(恐ろしいことに、これらほとんど全てが別の作品の翻訳だったりする)。
 ということで、ロバート・ファン・ヒューリック『観月の宴』を読了。
 県知事として三つ目の任地へ赴任中のディー判事(知事は判事を兼任する、念のため)が、州の会合で隣県を訪れたとき、殺人事件に遭遇し……というストーリー。
 シリーズキャラとして活躍していたディー判事の側近達が出てこない代わりに、この話で目を引くのが同僚の羅(ルオ)知事。
 丸顔に太鼓腹、資産家で酒や女や詩作に目がない遊び人、とみせて、その実かなり有能な知事という、なかなか面白いキャラクター。
 ミステリとしては事件の解決シーンが少々反則という気もするが、唐代伝奇や唐詩に詳しい人ならすぐにモデルのわかる登場人物などもいて、シリーズの読者や、ちょっと変わった中国ものを読みたい人にはお勧め。

 ちなみに、ハヤカワ・ミステリでは遺族の指摘に合わせて著者名を「ファン・ヒューリック」と表記しているが、以前の表記は「ファン・フーリック」が主流だったようだ。
 ネットで検索する際などは注意されたし。

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2004.05.10

ホラーSFを2冊

 ちゃんと新刊書も読んでいるのだが、今回もネタにするのは古書店で仕入れた本。
 中村融編訳『影が行く―ホラーSF傑作選』を堪能した勢いで、前から積読だった豊田有恒編『ホラーSF傑作選』を読破。
 海外&国産のホラーSF短編集を続けて読むことになった。

 海外ホラーSFの短編を編訳者がすべて新たに翻訳した『影が行く』の方は、さすが選りすぐりがそろっている印象。
 J.W.キャンベルJrの表題作も、大昔にジュブナイルで読んで以来だったのでたっぷり楽しめた。
 C.A.スミスの作品よりもブライアン.W.オールディス『唾の樹』の方がラヴクラフト的なのが、ちょっと面白かったかな。

 一方の『ホラーSF傑作選』は……正直、今ひとつだった。
 小松左京『くだんのはは』はさすがに良かったし、他の作品も悪くはないのだが、どうも納得がいかない。
 これは恐らく、収録作品のほとんどが「ホラーSF」というより普通の「ホラー」だったからだろう。
 田中光二『メトセラの谷間』や筒井康隆『佇むひと』などをのぞけば、SFという感触があんまり伝わってこなかったのだ。

 ちなみに『影が行く』は2000年の出版、対する『ホラーSF傑作選』は昭和53年(1978年)初版の本。
 時代の限界が出てしまっているのかもしれない。
 ……収録作品は『影が行く』の方が古い位なのだが。

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