« 「しにか」休刊 | トップページ | 別に死ぬことばかりじゃない »

2004.02.21

世に不思議無し、世凡て不思議なり

 京極夏彦というのは不思議な人だ。
 話のお題はみな妖怪変化だが、物理的に見れば何も超常現象など起こっていない。
 なのに、物語の中(と、読み手の中)では、怪異として成り立ってしまうのだ。
 ……ということで『後巷説百物語』を読了。
 前作『続巷説百物語』では、少し話の仕掛けを広げすぎてしまった気がしたが、今回は非常によい所に収まっている。
 語られる事件が「過去のもの」が中心となる分、前作までの「何とも言えないやりきれなさ」(これが、必ずしも不快感だけではなく読後の余韻の源ともなっていた)は薄らいでいるが、それを補うように、明治にまだまだ残っている江戸の気配が何とも言えない良い雰囲気を醸し出していた。
 これから読む人のことを考えて詳しくは語らないが、最終話も締めにふさわしい趣向になっている。
 不思議な、突き放したような余韻が残るラストだった。
 自分に水が合うのだろうか……この話はいいねえ。

|

« 「しにか」休刊 | トップページ | 別に死ぬことばかりじゃない »

コメント

小股潜り達の仕掛けが明治の世になってもちゃんと残っているなんて、上手いですよね。
最終話がホントよかったですね。百物語で幕をあけた話が百物語で幕を引く。

チリーン 御行奉為

又一の鈴、欲しくなりました(笑)。

投稿: こんの | 2004.02.22 10:41

コメントどもです。
鈴、欲しいですね(笑)。
もっとも自分は貧乏性なので、本を買っても帯を切って送るのは出来そうにないですが。

投稿: 狂仙 | 2004.02.24 01:23

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/18659/220756

この記事へのトラックバック一覧です: 世に不思議無し、世凡て不思議なり:

« 「しにか」休刊 | トップページ | 別に死ぬことばかりじゃない »