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2004.02.29

別に死ぬことばかりじゃない

 先日、久しぶりに行った本屋で新渡戸稲造『武士道』が三種類も平積みになっていた。
 どうやら、映画の『ザ・ラスト・サムライ』のおかげで色々増刷・出版されたらしい。
 前々からどんなものだろうと興味はあったので、手にとって立ち読み始めたのが運の尽き。ワイド版岩波文庫のやつをレジへ持って行くはめとなった。
 普段、日頃の習慣や言い回しがどういう背景の元に行われているか、なんてことはあんまり考えないし、人に説明しようと思ってもなかなか説明できるものではない。
 それを手放しでの礼賛でもなく、頭ごなしの批判でもなく、ある程度冷静にまとめられたのは、封建時代の最末期に生まれ、その後クリスチャンとなって渡米してアメリカ人女性と結婚したという新渡戸稲造の経歴のおかげだろう。
 武士道が「その城郭と同様崩壊して塵土に帰し」て久しい日本に生まれて、将来の道徳体型をキリスト教と信じるような信仰も持たない自分としては、その両方の視点を楽しめて面白かったのだが。

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2004.02.21

世に不思議無し、世凡て不思議なり

 京極夏彦というのは不思議な人だ。
 話のお題はみな妖怪変化だが、物理的に見れば何も超常現象など起こっていない。
 なのに、物語の中(と、読み手の中)では、怪異として成り立ってしまうのだ。
 ……ということで『後巷説百物語』を読了。
 前作『続巷説百物語』では、少し話の仕掛けを広げすぎてしまった気がしたが、今回は非常によい所に収まっている。
 語られる事件が「過去のもの」が中心となる分、前作までの「何とも言えないやりきれなさ」(これが、必ずしも不快感だけではなく読後の余韻の源ともなっていた)は薄らいでいるが、それを補うように、明治にまだまだ残っている江戸の気配が何とも言えない良い雰囲気を醸し出していた。
 これから読む人のことを考えて詳しくは語らないが、最終話も締めにふさわしい趣向になっている。
 不思議な、突き放したような余韻が残るラストだった。
 自分に水が合うのだろうか……この話はいいねえ。

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2004.02.20

「しにか」休刊

月刊「しにか」が、2004年3月号を最後に休刊した。
漢字文化圏の歴史や文化についてよい特集や連載が組まれ、その筋では知られた雑誌だった(と思う)。
ここ一年ほど、歴史関連の記事が激減し、漢字ネタや現代東アジア事情のものばかりになっていて少々心配していたのだが、やはり部数が保てなかったのだろう。
2月号の編集後記で漢字ネタ偏重に対し「考えがあっての方針だった」と書かれていたが、やはりこれは読者の数を根本的に見誤ったのではないだろうか。
どう考えても国語学・言語学の範疇にある漢字ネタより広い意味での歴史ネタの方が(本職の研究者はともかく)一般読者の数は格段に多いだろう。
漢字偏重と同時に増えてきた現代中国・韓国事情なども、それらを読みたい読者は最初から興味のある国について書かれたガイドブックや雑誌を買うのではないだろうか。
編集者には相当の志があったのだろうが、歴史ファン、漢詩ファン、中国文化ファン、韓国文化ファン、漢字ファンなど(と、それらの研究者たち)が一緒になって支えていた「裾野」を崩してしまったのだろう。
かくいう自分もネットや書籍などで中国史関連の記事などを読んでいるときに、しばしば引用元として「しにか」に掲載された論文が挙げられていたことから興味を持って買い始めた口だ。
その意味では最近の特集に魅力を感じることは少なかったのだが、漢詩の連載と書評ページが読めなくなるのは、やっぱり少し寂しいな。

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2004.02.17

流行りに乗らないんじゃないのか

最初の記事で「世間の流行りに乗るのは好きじゃない」とか言っておいて、今までの記事が思いっきり流行りものの話題なのは少々気が引けるが、もともと『指輪物語』は10年以上前からのファンなので仕方ない。
映画のおかげで、かつては翻訳など絶望的だった関連本がいろいろ日本語で読めるようになってくれたのは素直に喜ばしいことだ。
もっとも最近は単行本の値段が高く『終わらざりし物語』も上下巻合わせて5,400円という、結構な値段になってたりするのだが。
こんな状況なら、Amazonで2割引だったおかげで「価格合計:¥15,680」とか言われたら、

映画の前2作のスペシャル・エクステンド・エディション(SEE)、まとめて衝動買いしてもおかしくないよね。

……友人達に聞くと「当然」という答えが返ってきそうなのもいかがなものか。

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思いつきの末路

ふと思いついたことがあって、そのうち友人にでもチャットで披露しようと思っていたら、ちょうど同じ日に某所で同じネタが話題になっていた……。
やっぱり、あの片眼がゴスモグ扱いだよな、PJ?

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2004.02.16

伝説の淵源

昔から歴史物は好きなほうである。
神話・伝説の類も、同じくらい好きなほうだ。
こういう人間にとっては、たとえ未完成の遺稿に注釈を付けて編集しただけのものであっても、下手な完成品より楽しめることがある。
『終わらざりし物語(上)』は、その典型とも言えるだろう。
帯には一見さんにも読めそうなことが書かれているが、序文にもあるとおり『指輪物語』『シルマリルの物語』を事前に読破していることが必須、という本なので注意。
取りあえず上巻を読み終わった所で気がついたことを少々。

モルゴスにかけられた呪いにより凶運の持ち主となったトゥーリン・トゥランバール。
行く所禍が生じ、善意の言葉からも禍事が生じ、誤って友人を手にかけてしまう、黒き剣の英雄……。
『シルマリルの物語』を読んだときは気づかなかったが、このモチーフってムアコックの『エターナルチャンピオン』シリーズの主人公達と同じものがベースにあるのでは無いだろうか。
トールキンにしてもムアコックにしても、北欧神話には詳しいはずだから、同一モチーフからそれぞれのキャラクターを生み出したのかも知れない。

……と、思いついたが面倒くさがってそれ以上調べていないのであった。
さて、ゆっくりと下巻に取りかかるとするか。

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今ぞ王の御代は来たれり。

『ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還』を見た。
仲間内ではみんな言っているし、自分も何度も言ったのだが、やはり

「言いたいことはいくらでもあるけど、まずはPJ、よくやった。」

というのが偽らざる感想。
あの題材で長年の原作読みから「無かった」ことにされないだけでもたいしたものだが、個人的には十分それ以上の評価をあたえられる気がする。
まだまだ足りない……と思うシーンはDVDで出るSEEに期待する(させられる)として、取りあえず自分としては、アングマールの魔王が納得の出来だったのでOK、と言っておこう(笑)。

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2004.02.15

まずは始めて見ることにする。

世間の流行りにのるのは必ずしも好きではないのだが、仲間内の流行りにのるのはしばしばやっている。
ということで、日記(というには日が空くのは目に見えているが)代わりに始めてみることにした。
日々の読書とかゲームとか映画とか、その他思う所をつらつらと書きつづっていってみようと思う。
方向性とかは、書いていくうちに自然と見えてくるだろう。

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